2013年3月17日日曜日

第28回 なぜ日本のソフトウエア産業が育たないのか?


l         日本にはソフトウエア産業が育たないといわれる。やや古いデータだが日本のソフトウエアが箸にも棒にもかからない輸入超過であるというデータが下記である。たしかに、身の回りを見ても、主要なソフトは多くが、マイクロソフト、IBM、オラクルといった海外製であることに気付く。

    日本の2000年度のソフトウェアの輸出入額(単位:百万円)

ベーシックソフト
アプリケーションソフト
カスタムソフト
合計
輸出
3,445
5,177
359
8,981
輸入
347,369
297,514
273,977
918,860

引用:http://it.jeita.or.jp/statistics/software/2000/1.html#1
【ベーシックソフト】不特定多数のユーザを対象として開発されたソフトであり、言語プログラム、ライブラリ、ミドルウェア等を含む。
【アプリケーションソフト】不特定多数のユーザを対象として開発された業種・業務ソフト。
【カスタムソフト】特定ユーザからの発注により開発されたオーダーメイドのソフト。特定ユーザが自社であってもよい。

l         なぜ、日本ではソフトウエア産業が育たないのか?理由を考察してみたい。最も大きな要因は“見えないこと”ではないだろうか?日本人は見えないものに感情移入しにくいのだ。その証拠に感情移入できるゲームソフトでは輸出超過の優等生になっている。そのほかも含めてまとめるとおそらくはこんなところではないか?

1.        見えないものへの戸惑い
²        見えるもの、手のひらで包めるものへの信頼感
2.        理論の軽視と不得手
²        抽象化・モデル化が不得意(日本語のあいまいさが阻害している面も)
3.        組織的問題
²        ハードウエアを補佐するものという初期位置
²        足りない上長のソフトウエア理解度
4.        少ない予算額
²        予算額の大きなセクションが権力を帯びやすい
5.        内向きイノベーション文化との相性の悪さ
²        ソフトウエアはモジュール化を伴う大規模化や契約による水平分業化が必要


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