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第7回に書いたように開発費の比重が大きくなって来る時代、利益確保をどうするか?は企業がもっとも頭を痛める点である。巨額の資本が必要なもの、例えば大型テレビの液晶など数千億円の投資が必要なプロジェクトは、複数の会社で共同リスクにする、あるいは作ったものを自社でのみ消費するのではなく、他社に売るということをしている。株式会社という仕組みはそもそもリスクを分散させる仕組みであるが、皮肉なことに現代の大量生産というものは、株式会社のしくみだけではその巨大なリスクを吸収できないものであるらしい。敵に塩を贈るようなことまでしないと開発費を回収できない時代になってきたのである。
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もう一つのアプローチは労働集約部分のアウトソーシングである。製造工程の上流下流、それそれにおける利益をカーブにすると「スマイルカーブ」と言われる形になることが知られている(下記図参照)。この利益の薄い部分をなんとかしたいという解決の形がOEM/ODMなのだ。皆さんご存知だと思うが、製造を他社に委託するのがOEM(Original Equipment
Manufacturer)、設計から製造までを委託するのがODM(Original Design Manufacturer)ということになる。
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OEM/ODMを請け負う企業をEMS (Electronics Manufacturing Service)といい、昨今存在感を高めている。例えば先日シャープに出資することで話題になったFoxconn Technology Groupの鴻海精密工業という企業はApple社のiPhoneからソニーのPlayStationなど著名な製品を作っている。
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驚くのはその規模。10兆円と言う連結売り上げは、日本の電機メーカートップの日立グループのそれと並ぶほどだ。フォックスコンのある一つの工場は100万平米に10万人が暮らす街だという。例を出しておくと、面積は大体皇居と同じ。人口は高島平が5万人、光が丘が3万人の人口である。どんなすごい「街」か想像してほしい。そしてこれが一工場に過ぎないという事実を認識してほしい。こんなふうに労働集約型部分が賃金の低い海外のEMS へ水が低きへ流れるようにシフトしている。
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