そもそも、このわが日本の製造業ってどういう位置づけなのか?
一橋大学イノベーション研究センター 米倉誠一郎教授のセミナーで拝聴した話が面白かったので、思い出しながら俯瞰してみたい。
まずはこのグラフを見てほしい。
引用: 産業別15歳以上就労者数の推移 国勢調査資料より
http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2005/sokuhou/03.htm
この資料からもわかるように、日本は戦後、急速に第二次産業へシフトした。これは教科書にも載っているように、日本が戦争に負けて、「これからは加工貿易で生きてくことにしたかんな」という決意である。
1990年代からは第三次産業にシフトしているが、これは機械化・IT化による雇用調整や経済のグローバル化に伴う、製造事業所の海外移転なども要因としてあるようだ。つまり、日本の産業の「要」は製造業なのである。
さて、ぺティ=クラークの法則という有名な(やや古典的な)指標がある。これは、「一国の産業構造は、経済・産業が発展し、所得水準上昇するにつれて、第一次産業から第二次産業、第二次から第三次産業へと就業人口の比率および国民所得に占める比率の重点がシフトしていく」というもの。この観点で見ると日本では、
2005年度で
第二次産業人口 日本26%に対して 米国20%、英国20%
第三次産業人口 日本69%に対して 米国78% 英国78%
という具合に日本の第二次産業の比率は他の先進国に比較し依然としてやや高めだ。
ある産業に偏っている経済をモノカルチャーと呼ぶ。ガーナにおけるカカオ豆、キューバにおける砂糖、ブラジルにおけるサトウキビ/コーヒーのように、日本人は製造業モノカルチャーなのだろうか?モノカルチャーはその名の通り多様性に乏しいため、その産業が打撃を受けると弱いという。
次に見ていただきたいのはこのグラフである。
引用:財団法人日本生産性本部 http://www.jpc-net.jp/index.html
この図は2010年のOECD加盟国の労働生産性(労働者一人あたりにつき、どれだけの付加価値を生み出したか)を示している。34か国中20位とあまり褒められたものではない。ギリシャくらいなのである(あ、これはギリシャ人が能天気で効率の悪いと言っているワケではありませんよ^^)。
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